VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)
VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)とは。使用の流れ、適用される場面、公式採用試合での実際の様子です。
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ビデオ・アシスタント・レフリーとは
概要
VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー:Video Assistant Referees)とは、映像で判定を補う審判員システムです。
フィールド外部でのモニタを元に無線を通じて主審に通知します。主審はVARの情報を元に最終判定を下します。
これまでFIFAはプレーの継続性、つまり中断しないこと、主審の裁量を重視してきましたのでこれは大幅な変更とも言えます。
適用できる場合
下記の場合に用いられます。
- 得点か否か
- PKか否か
- 退場か否か(2つ目の警告を除く)
- 警告や退場における人間違い
- 見逃された重大な事(審判団の誰も確認できなかった乱暴行為など)
手順や理念など
- VARはリプレイチェックに時間が必要であれば主審にプレーを再開しないよう連絡する。
- 主審はVARとコミュニケーション中は指を耳に当ててその旨を周囲に示す。
- 主審は四角くシグナルを示す。
- 主審はVARの情報でそのまま決定するか、フィールド脇で自身がモニタチェックをする。
- 主審は再度四角くシグナルを示し、最終判定をする。
あくまでも最終判定はフィールドの主審です。
得点やPKにつながった攻撃の始まりとなった起点までさかのぼれます。
他競技のチャレンジのように選手や監督側から要求することはできません。
「最小の干渉で最大の利益」が原則で、なるべくプレーの継続性を重んじています。
実際の場面
FIFA主催の大会ではクラブワールドカップ2016で、ワールドカップでは2018ロシア大会で初めて公式採用されました。
クラブワールドカップ 2016
Mach5 準決勝 アトレティコ・ナシオナル - 鹿島アントラーズ の試合でVARが使用された場面が出ました。
スローインという何の問題もない場面で主審がプレーを止め、はて?と見ていたらフィールド脇に設けられたモニターで映像確認し、鹿島にPKが与えられました。
約1分前の鹿島FKの場面で、ペナルティエリア内で足をかけられて倒されたことがアトレティコ・ナシオナルの反則と判定されたのです。
ただし、その時にPKを取らなかったことが誤審であったというかとそうはいいがたく、主審から見て一番奥の出来事で、密集で死角になって確信が取れなかった可能性があります。
今までこうした「主審に隠れての事」や「見逃しや確信できずスルー」はよくあったことですが。
選手達も映像を見られるわけでもなく、その場すぐでもないので、納得しがたい様子面も見られました。
ワールドカップ 2018ロシア大会
ほとんどと言っていいほど多くの試合で適用されました。それでもスムーズで個人的には中断による不快感などはありませんでした。
全会場で選手達や観客が見られる大型スクリーンで映像を見られ、選手達もほとんど納得している様子でした。
これは判定(審判員)への信頼性とその後の試合コントロールにもいい傾向と言えます。
参考
ちなみにボールがゴールラインを割ったか=ゴールになったかの判定のゴールラインテクノロジー(GLT)とはまた別です。
詳しくはJFAの公式サイトで、実例映像で説明されています。ビデオアシスタントレフェリー(VAR)に関する解説映像を公開(外部リンク)
他のルール改正は下記の当サイト関連記事をご覧願います。
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初版 2016-12-15 / 最終