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ベルギー戦最後のコーナーキックとカウンター

ワールドカップ2018ロシア大会 ラウンド16 日本-ベルギー戦 最後のコーナーキック(CK)とカウンターの状況です。

どの選手が、どの場面でどこにいて、どこに向かって走っているかを図で示しています。録画などと見比べるとより理解が深まると思います。

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このページは各選手の可否を述べる目的ではありません。あなた自身が録画などと見比べて考えていただくための参考資料になれば、との目的ですのでご了承願います。

その前の重要な場面

先ずベルギー戦最後のCKを検証する前に別の場面を2点挙げます。これなくしては語れないほど重要なポイントだからです。

コロンビア戦の大迫ゴール

後半27分、左CKを得てキッカー本田(4)→大迫(15)のヘディングで得点した場面です。その時のメンバーはこちら。

日本
川島(1),昌子(3),本田(4),長友(5),柴崎(7),原口(8),乾(14),大迫(15),長谷部(17)[C],酒井(19),吉田(22)。
◇ 本田(4)は後半25分in。
コロンビア
オスピナ(1),ムリージョ(3),アリアス(4),バリオス(5),バッカ(7),ファルカオ(9)[C)]ロドリゲス(10),レルマ(16),モヒカ(17),Dサンチェス(23)。
◇ バリオス(5)は前半31分in、ロドリゲス(10)は後半14分in、バッカ(7)は後半25分in。退場で全10人。

図についての説明ですが、これはこのページでは以後同様です。

  • クリック/タップすると拡大し、ブラウザの戻るボタンで戻ります。
  • 選手はその時の位置を示し、矢印はその後の移動を示します。
  • 選手の○は実際はもっと点に近く、マークで重なっている部分以外各選手間が離れているイメージです。
  • 選手の位置と矢印はおよそです。正確には録画などを参照願います。

図は本田が助走に入った時の、各選手の位置とその後の動きです。

コロンビア戦CK

  • バッカ(7)とファルカオ(9)は特にマークを持たずフリー。
  • 先ず吉田(22)がゴールエリアのライン中央に向かう。
  • 次に昌子(3)もゴールエリアのラインに向かう。
  • 原口(8)が回り込むようにファーに向かう。
  • 大迫が(15)ほぼその場でマークしてたアリアス(4)に競り勝って頭でファーに流し込む。
  • GKオスピナ(1)は出るか迷ったが出なかった

最後のCKの3分前

ベルギー戦最後のCKの3分前にも左からのCKがありました。その最後フィールドにいた選手です。

日本
川島(1),昌子(3),本田(4),長友(5),香川(10),乾(14),大迫(15),山口(16),長谷部(17)[C],酒井(19),吉田(22)。
◇ 山口(16)と本田(4)は共に後半36分in。
ベルギー
クルトワ(1),アルデルウェイレルト(2),コンパニー(4),フェルトンゲン(5),ウィツェル(6),デブルイネ(7),フェライニ(8),ルカク(9),アザール(10)[C],ムニエ(15),シャドリ(22)。
◇ フェライニ(8)とシャドリ(22)は共に後半20分in。

後半45分、左サイド長友(5)クロス→乾(14)の前でウィツェル(6)触る→クルトワ(1)がゴールライン外にはじきます。これで得た後半45+1分のCKです。

図は本田(4)が助走に入った時の、各選手の位置とその後の動きです。

ベルギー戦最後のCK

  • 大迫(15)がフェルトンゲン(5)を置き去りにゴールエリアの角に向かう。
  • 吉田(22)と昌子(3)も前へ向かう。
  • 本田が低い球筋でやや速め、ニアのゴールエリアの角付近に蹴る。
  • 誰も競れずデブルイネ(7)がほぼ元の位置で楽にヘディングクリア。

最後のCKと、ベルギーのカウンター

CKに至る経緯

  1. 後半45+2分、センターサークルを超えた所で大迫(15)のポストにコンパニー(4)が後ろからファウルでFKを得る。
  2. キッカーは本田(4)、直接ほぼ無回転(完全無回転のブレ球ではなくコントロールされた)シュートをクルトワ(1)がゴールライン外にはじく。
  3. 日本エンドから見て左(メイン手前から見て奥)側からCKとなる。

ここからが本題です。

本田がコーナーに向かう

ベルギー戦最後のCK

  • 酒井(19)がフェライニ(8)の背後にゆっくり移動する。マークしていたウィツェル(6)も付いていく。
  • 他の選手もそれぞれゆっくり移動する。

本田がボールをセットする

ベルギー戦最後のCK

  • デブルイネ(7)が香川(10)を指差して指示する。本田(4)が構えると自らはゴール寄りに下がる。
  • 本田が助走に入る直前に昌子(3)がニアに走り出し、ペナルティマーク付近でジグザグに動く。

本田が助走する

ベルギー戦最後のCK

  • 昌子(3)はゴールエリアの角に向かって更に走る。
  • 大迫(15)はマークしていたフェルトンゲン(5)を振り切り、円弧状にゴールエリアの角付近に向かう。フェルトンゲンは酒井(19)らの右側を通って再度大迫に付き直す。
  • 吉田(22)が中央、近くに移動する。
  • 酒井(19)がフェライニ(8)の前に出る。
  • 本田(4)が3分前の球筋より山なりに、ゴールエリアのライン中央付近に蹴る。これは前述コロンビア戦でのCKの球と似ている
  • 蹴った後に乾(14)がファーに向かう。シャドリ(22=最終的に得点する選手)も付いていく。

クルトワがキャッチする

ベルギー戦最後のCK

  • GKクルトワ(1)が誰とも競ることもなく少しジャンプしてキャッチする。
  • キャッチした瞬間ムニエ(15)とデブルイネ(7)がスタートする。
  • アザール(10)がワイドに開く。長谷部(17)がアザールを意識しつつ戻る。
  • 乾(14)とシャドリ(22)がUターンする。
  • 昌子(3)と吉田(22)が戻る。
  • ルカク(9)がバックステップで少し下がる。長友も付く。
  • ウィツェル(6)が顔を押さえ、酒井(19)と会話を交わす。
  • クルトワ(1)は左→右(図の右→左)と確認しながらペナルティエリア目いっぱい前に移動する。

クルトワがスローする

ベルギー戦最後のCK

  • GKクルトワ(1)がデブルイネ(7)の走る先に向けてボールを転がす。
  • 香川(10)がデブルイネ(7)に向かう。
  • ムニエ(15)が斜めに走る香川(10)と接触しそうになる。

デブルイネがファーストタッチをする

ベルギー戦最後のCK

  • デブルイネ(7)が受けてドリブルし始める。
  • 山口(16)がじわじわ下がる。
  • ルカク(9)が切り込み、長友(5)も付いていく。
  • 香川(10)が右を走るムニエ(15)の位置を確認する。
  • デブルイネ(7)がハーフライン手前で右(ムニエ(15)側)を見、ハーフラインを超えた所でボールを少し足元に溜める。

デブルイネがムニエに出す

ベルギー戦最後のCK

  • デブルイネ(7)がフリーのムニエ(15)に出す。
  • 山口(16)が反転する。
  • 長友(5)がルカク(9)のマークを捨ててムニエ(15)に向かう。
  • 長谷部(17)がルカク(9)のマークに向かう。
  • 川島(1)が左に寄る。
  • ルカク(9)が走る方向を変えた後に一瞬左(長谷部側)を見る。これ以後ボール方向しか見ていない。

ムニエがクロスを出す

ベルギー戦最後のCK

  • ムニエ(15)が1タッチでグラウンダーのクロスを入れる。
  • 長友(5)が反転する。
  • 長谷部(17)はルカク(9)の前(図の手前)に入る。ルカクは体を入れて長谷部からボールを隠し、右足をまたいでスルーする。

シャドリがシュートする

ベルギー戦最後のCK

  • 昌子(3)が後ろからスライディングする。
  • シャドリ(22)が左足でシュートする。

考察

主な選手の移動の、全体図

クルトワ(1)がキャッチした時の選手の位置、及び主な選手の、シャドリ(22)がシュートを打った時までのその後の動きです。

ベルギー戦最後のCK

ベルギーの選手は以下の傾向が見られます。

  • 本田が左利きでアウトスイングのため、クルトワ(1)はキャッチした勢いそのままに前に出ている。デブルイネ(7)の速度を落とさず正確に転がしている。
  • アザール(10)は先ず開く位置を目指しつつ、深さ(前への推進力)も稼ぐ走り方をしている。
  • CFのルカク(9)を除き、自陣ではとにかくストレートに走って深さを稼いでいる。
  • ムニエ(15)とアザール(10)のサイドの選手は、先ずペナルティエリアの角を目指し、センターサークルを超えた辺りからゴールエリアの角を目指している。
  • インサイドを走るシャドリ(22)はハーフラインを超えた辺りからゴールポストを目指している。
  • デブルイネ(7)がドリブルし始めた時にルカク(9)は中に切り込むことで、よりゴールに近い縦パスの可能性を作っている。(もしルカクがストレートに走っていても長友はムニエ(15)との中間ポジションを取れていた可能性がある。長友が対応をしたが結果ムニエ(15)がフリーになった。)

一方日本は昌子(3)など一部を除いて、相手の動きの変化やパスを出される度に対応するために、斜めだったり方向を変えたりで深さを稼げないでいます。

GKの身長と前の混み具合

コロンビア戦では混みいってGKが出づらく、ベルギー戦は出やすかったと言えそうです。

本田のキック

試合時間(後半)球筋速度到達時間
コロンビア戦28分 山なり速くない約1.53秒 1.
ベルギー戦45+1分 低い山やや速め約1.03秒 2.
ベルギー戦45+4分 山なり速くない約1.47秒 3.

「到達時間」とはCKのボールインパクトから各試合以下の通りです。30コマで1秒なので1コマ≒0.0333秒として計算しています。

  1. 大迫(15)の頭にインパクトまで(46コマ)
  2. デブルイネ(7)の頭にインパクトまで(31コマ)
  3. クルトワ(1)のキャッチまで(44コマ)

本田のキックと中の選手の動きは様々な要因があるでしょうが、下記が考えられるでしょう。

  • コロンビア戦の成功体験があった。
  • 3分前にデブルイネ(7)に引っかかったので超えたかった。

あなたなら

もしあなたが選手であったらどのようにしていたでしょうか?

  • CKでペナルティエリアにかける人数、位置。
  • カウンター対策をも考えた配置バランス。
  • 時間をかけて延長に持ち込むか否か。
  • CKで香川(10)にショートで変化をつけるか否か。
  • デブルイネ(7)が下がった時点でショートに切り替えるべきか否か。
  • オスピナ(1)とクルトワ(1)の身長差や能力の考慮。
  • CKの落下地点、球筋、ボール速度。特にクルトワ(1)を外せなかったか。
  • キッカーと中の意思疎通。
  • クルトワ(1)のスローの遅らせ方。
  • クルトワ(1)がキャッチした時点で戻りのスタート。
  • カウンターで戻る方向や誰に付くか。変動する優先順位。
  • 香川(10)はムニエ(15)を離すべきか。
  • 山口(16)の所でファウル覚悟で飛び込むか否か。勢いを吸収できなかったか。
  • GK川島を含めた守備をどうするか。

その他諸々あるでしょう。特にディフェンシブサードでは数的不利でかなり厳しい状況でした。

だからこそその前の段階でどうすべきか、各々ご自身で考えたり所属チームで討論してみてはいかがでしょうか。

同試合の別の場面や他の試合の場面は下記当サイト関連記事をご覧願います。このページほど詳細ではありませんが箇条書きにしています。

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