ワールドカップ抽選会のしくみ
ワールドカップの組み合わせ抽選会の流れを追っていきます。なるべく強豪国同士や同一地域同士が重ならないようにと、巧い仕組みが見えてきます。
先ず2014ブラジル大会を振り返り、2018ロシア大会についてもみていきます。
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2014年ブラジル大会
グループステージの組み合わせ
A1~H4まで全32チームが入る表が用意されています。各々試合の日程や会場があらかじめ決められており、よって対戦相手の順序も決まってきます。
A | B | C | D | E | F | G | H |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A1 | B1 | C1 | D1 | E1 | F1 | G1 | H1 |
A2 | B2 | C2 | D2 | E2 | F2 | G2 | H2 |
A3 | B3 | C3 | D3 | E3 | F3 | G3 | H3 |
A4 | B4 | C4 | D4 | E4 | F4 | G4 | H4 |
抽選の準備
表2及び表3のように2セットの抽選箱が用意されます。
- 表2:ポット1~ポット4の4つの抽選箱からなり、主に地域ごとに分けられた全出場チーム名が入っています。
-
表2 ポット ポット1 ポット2 ポット3 ポット4 ブラジル
アルゼンチン
ウルグアイ
コロンビア
スイス
スペイン
ドイツ
ベルギーアルジェリア
ガーナ
カメルーン
コートジボワール
ナイジェリア
エクアドル
チリ
イタリア ※イラン
オーストラリア
韓国
日本
アメリカ合衆国
コスタリカ
ホンジュラス
メキシコイングランド
オランダ
ギリシャ
クロアチア
フランス
ボスニア・ヘルツェゴビナ
ポルトガル
ロシア - 表3:A~Hの8つの抽選箱からなり、A2~H4の記号が入っています。
-
表3 組番 A B C D E F G H A2
A3
A4B2
B3
B4C2
C3
C4D2
D3
D4E2
E3
E4F2
F3
F4G2
G3
G4H2
H3
H4
2014年ブラジル大会の場合、ポット1は開催国とFIFAランク上位7位、他のポットは地域ごとに分けられました。例えばポット3は日本を含むアジアと北中米カリブ海のチームでした。
(※ また、ポット2が1つ少なく、シード以外の欧州が入ったポット4が1つ多かったので、ポット4から1つ選ばれてポット2に移して全ポット同数としました。後の結果、選ばれたウルグアイのいたグループDに、これも選ばれたイタリアが入りました。2018年ロシア大会は最初から全ポット同数です。)
開催国
表1のA1に先ず開催国ブラジル(2018年はロシア)を入れます。A1は開幕戦です。
ブラジル | B1 | C1 | D1 | E1 | F1 | G1 | H1 |
A2 | B2 | C2 | D2 | E2 | F2 | G2 | H2 |
A3 | B3 | C3 | D3 | E3 | F3 | G3 | H3 |
A4 | B4 | C4 | D4 | E4 | F4 | G4 | H4 |
各シードの抽選
次にB1に入るチームをポット1から選びます。スペインでした。
ブラジル | スペイン | C1 | D1 | E1 | F1 | G1 | H1 |
A2 | B2 | C2 | D2 | E2 | F2 | G2 | H2 |
A3 | B3 | C3 | D3 | E3 | F3 | G3 | H3 |
A4 | B4 | C4 | D4 | E4 | F4 | G4 | H4 |
C1~H1も同様に埋めていきます。ここまでは表3の組番から選ぶことはせず、全て各グループのシード(A1~H1)に入ります。
このようになりました。
ブラジル | スペイン | コロンビア | ウルグアイ | スイス | アルゼンチン | ドイツ | ベルギー |
A2 | B2 | C2 | D2 | E2 | F2 | G2 | H2 |
A3 | B3 | C3 | D3 | E3 | F3 | G3 | H3 |
A4 | B4 | C4 | D4 | E4 | F4 | G4 | H4 |
ポット2以降、チームと組番の抽選
次にA2~A4のいずれかに入る2チーム目をポット2から選びます。選ばれたのはチリでした。
グループAにはすでに同地域であるブラジルが割り当てられているため、チリは1つずれてグループBに割り当てられました。なるべく欧州同士や南米同士が同一グループに入らないような仕組みです。
チリがB2~B4のいずれになるか、表3のbの箱から選びます。B3になりました。
ブラジル | スペイン | コロンビア | ウルグアイ | スイス | アルゼンチン | ドイツ | ベルギー |
A2 | B2 | C2 | D2 | E2 | F2 | G2 | H2 |
A3 | チリ | C3 | D3 | E3 | F3 | G3 | H3 |
A4 | B4 | C4 | D4 | E4 | F4 | G4 | H4 |
ポット2からグループAが決まらなかったので再度選びます。カメルーンで、A4でした。
ブラジル | スペイン | コロンビア | ウルグアイ | スイス | アルゼンチン | ドイツ | ベルギー |
A2 | B2 | C2 | D2 | E2 | F2 | G2 | H2 |
A3 | チリ | C3 | D3 | E3 | F3 | G3 | H3 |
カメルーン | B4 | C4 | D4 | E4 | F4 | G4 | H4 |
グループBは先ほどチリが入ったので飛ばし、次にポット2からグループCに入るチームと組番を選びます。
同様にポット2から全て選び、続いてポット3、ポット4も同様に選んでいきます。
こうして強さや地域がなるべく偏りなく入るように振り分けているのです。
日本はグループCで選ばれ、C4に選ばれました。
2018年ロシア大会
2018年ロシア大会のポットは地域ごとではなく、ホスト(開催)国ロシア以外は2017年10月時点のFIFAランキング上位から順に割り当てになっています。
ポット1 | ポット2 | ポット3 | ポット4 |
---|---|---|---|
ロシア ドイツ ブラジル ポルトガル アルゼンチン ベルギー ポーランド フランス |
スペイン ペルー スイス イングランド コロンビア メキシコ ウルグアイ クロアチア |
デンマーク アイスランド コスタリカ スウェーデン チュニジア エジプト セネガル イラン |
セルビア ナイジェリア オーストラリア 日本 モロッコ パナマ 韓国 サウジアラビア |
ざっと見た感じですが、ポット1を各グループのシードへ割り当てまでは同じ、以降もほぼ同じ感じのようです。また、
- 欧州は1グループに2チームまで。
- 他の地域は1チームまで。
のようです。
FIFA公式サイトのThe Final Draw: How it works(外部リンク)で動画で例が出ています。
ポットについては下記当サイト関連記事の をご覧願います。
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