日本代表のセネガル戦での美しいオフサイドトラップ
ワールドカップ2018ロシア大会 グループフェイズ第2節 セネガル戦で日本代表が見せた美しいオフサイドトラップを図解しています。
各選手の動き、3つのグループに分かれて対処、その成功のポイントを挙げています。録画などと見比べるとより理解が深まると思います。
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状況や概要
フリーキックに至る経緯と位置
- 後半44分、日本の右サイドでセネガルがスローイン。
- 香川(10)、原口(8)、酒井(19)で奪おうとする。
- 角先で香川がドリブルするマネ(10)の右ひざ付近を蹴る。マネは痛がりながらもボールはキープ。主審は笛を口に近づけるが様子見。
- 酒井がマネにつく。マネが倒れる。
- 主審は香川での位置を指してファウルとする。
- 香川が川島(1)に壁を2枚とするか確認、川島が応じて乾(14)1枚に。
- 乾(14)が振り向き、川島は右へ寄るよう合図。
- 長友(5)が壁に入ろうとするが戻る。香川が長友に後ろへ回るよう左手で合図。
セネガルのFKは後半45分、スコアは1-1。距離は、ゴールラインから垂直に約24m、ゴールまで約34m。角度は約45度。
メンバー
この時フィールドにいた両チームの選手です。
- 日本
- 川島(1),昌子(3),本田(4),長友(5),香川(10),乾(14),大迫(15),山口(16),長谷部(17)[C],酒井(19),吉田(22)。
- セネガル
- Kヌディアイェ(16),クリバリ(3),ゲイェ(5),サネ(6),マネ(10),サバリ(12),Aヌディアイェ(13),Pヌディアイェ(17),サール(18),ニアン(19),ワゲ(22)。
概要
日本は3つのグループに分かれて対処していることがわかります。B、Cはもしオフサイドを取れなかった場合の保険です。
- ラインを上げてオフサイドトラップを掛け、そのまま高い位置を保持するグループ
- Aのうち、一度上がるがすぐ戻るグループ(吉田,昌子)
- かまぼこ前から勢いをつけて入るグループ(長友,香川)
図についての説明
これはこのページでは以後同様です。
- クリック/タップすると拡大し、ブラウザの戻るボタンで戻ります。
- 選手はその時の位置を示し、矢印はその後の移動を示します。
- 選手の位置と矢印はおよそです。正確には録画などを参照願います。
では場面ごとに見ていきましょう。
オフサイドトラップの実際
キッカーが助走に入る
- キッカーはPヌディアイェ(17)で右足インスイング。助走に入る。
- 両チーム各選手が動き出す。日本はC(長友,香川)以外全て上げる。
キッカーが蹴る
- セネガル6人を完全に置き去る。
- クリバリ(3)がゴール前に向かう。
- C(長友,香川)がゴール方向に向かう。
- B(吉田,昌子)がゴール方向に反転する。
ニアンが折り返す
- ニアン(19)が頭で折り返す。
- 吉田(22)と香川(10)はクリバリ(3)の背後に寄る。
昌子が触れる
- 折り返したニアン(19)は体勢を崩して倒れる。
- 昌子(3)が右ももで受ける。
- 川島(1)が飛びついてゴールライン上でキャッチ。
- 吉田(22)が「してやったり」のドヤ顔
考察
いかがでしょう。この一連の場面で言えば完全に圧勝でした。成功のポイントは下記にあると思われます。
- 静止状態からのスタートでは遅いため、C(長友,香川)はボックスライン付近ではなくあらかじめ助走できるようにかまぼこ前に位置し、キッカーの助走時点で自らもスタートしていた。
- 高さのあるB(吉田,昌子)を反転させて戻させた。中央とファーに位置させた。
- 正確に折り返せたとしても、ゴール前のクリバリ(3)1人に対して4人の数的有利。
時間帯とスコアからしてここで失点は絶対に避けたかったはずです。逆に相手はここで得点したい前への気持ちを上手く逆手に取ったとも言えます。
1人でも合わなければリスクを伴います。綿密に練習したことでしょうが、大会前の騒動と期間の短さでよく仕上げたものです。
ちなみに、あらかじめ走り出すことは元日本代表の細貝選手が見せていました。
それにしてもここまで完璧に決まるとさぞ気持ちいいでしょう。あなたのチームでも試してみてはいかがでしょうか。
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