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2点リードの難しさや危険性

2-0など2点リードの状態は難しい、危険とまで言われます。

ほとんどロースコアのサッカーで2点差なら一見余裕に見えますが、何がどう難しく危険なのかです。またその対策です。

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難しさ

点の取り合いは別

先ず2点リードと言っても主に2-0や、せいぜい3-1の話で、5-3や6-4など打ち合いでは話が変わってきます。試合展開が違うからです。

以下その2-0などの場合の話となります。

何が難しいのか

結論から言うと「意思統一」です。

負けている側は点を取りにいこうと、やるべきことがはっきりしています。先ずは1点と明確な目標があります。

ところがリードしている側は、試合終了近くや得失点差などの理由がない限り2択が考えられます。

  • もう1点取りにいく
  • このまま守りきる

チームとしてどちらかはっきり統一できればいいのですが、これがけっこう難しいのです。

難しい理由

  • 攻撃の選手は更に点を取りたいので前目に、
  • 守備の選手は守りきりたくリスクを負いたくないので後ろ目に、

すると前後が広がる間延びが起きやすくなります。これは相手へのプレスが弱まり、相手の自由なプレーを許す要因にもなります。

後半に攻撃的な選手が交替することがありますが、得点意識が強すぎると全体とのバランスを崩す可能性があります。

また守り一辺倒では相手の攻撃を勢いづかせてしまうこともあるので、

「基本的にしっかり守って隙あらば得点を狙う」

という方針がよく用いられますが、これもその隙とはどの程度なのか、得点を狙う時にどれだけの人数をかけるかなど曖昧な面があります。

1点差に、同点に、逆転に

2-0から2-1に、これはリード側はプレッシャーです。上記の前後の選手でどうしたいかが各々更に強まります。

同点では勝点が3から1になったり、延長になるなど大きな違いです。延長でのムードや勢いは追いついた側の方がいい場合はよく見られます。

2点以上のリードから逆転負けすると、精神的ダメージが大きく後の試合で迷いが生じるなどの影響が出かねません。

少ないからこそ

実際2点差をひっくり返される場合は少ないです。印象が強いので多いように感じるかもしれません。

とはいえデータはデータ、あくまで確率です。その少ない確率が今自分の大事な試合で起きたら?ということです。

少ないはゼロではありません。少ないがゆえにショックは大きいのです。

何が危険なのか

2点リードの難しさ、危険性

言うまでもなく、スコアだけで言えば2-0より1-0や0-0の方が危険ですし、リードされている側の方が危険と言えます。

解説などで言われていることは「リードによって油断したり、プレーが甘くなることが危険」ということです。

また、守りに入りすぎて形勢を悪くすること、必要以上に消極的になりすぎること、が危険なのです。

戻りや詰めが甘くなったりが失点や敗戦の原因では悔やまれ方が違います。

2点リード時の対策

ではどのようにしたらいいでしょうか。

  1. 攻めに転じる際に、どの時間帯なら、(状況にもよりますが)誰が何人、どこまで行くのか、などあらかじめ決めておきます。

  2. 落ち着かせたり攻撃のスイッチを入れたりとコントロールできる選手がフィールド上にいることが望ましいです。

    このような選手がベンチにいる場合は声掛けをしてもいいでしょう。

  3. 最終ラインの高さとコンパクトさを一定に保ち、間延びを防ぎます。

  4. 選手交代で入った選手が守備的であればたいていは守りきろうということです。

    問題は攻撃的選手が入った場合です。追加点狙いなのか、あるいはスタミナ面で前で追う守備のためか、2通り考えられます。

    入った選手やベンチが明確に監督の意志を伝え、フィールドの選手がしっかり把握することが大事です。これはしばしば「監督のメッセージ」とも呼ばれます。

  5. 点差を意識し過ぎないことです。もし1点差になっても、あと1点で同点にされると取るか、まだあと1点あると取るか、ですね。

    リードによって過度の緊張かがほぐれて本来のプレーができることはよくあります。

  6. 油断しないことで、最も重要と言っていいでしょう。

普段から対策を真剣に練り詰めておく、試合では集中力を終始保つ、これに尽きると思います。

最後に、鹿島アントラーズなどでセンターバックとしてご活躍された岩政大樹氏の記事をご紹介します。私が書いた以上の高いレベルでのお話しをされています。

2点差は危険か(外部リンク)

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