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競技規則 2023/24の改正点と適用開始日

サッカー競技規則(ルール) 2023/24 の改正点と適用開始日です。

今回の改正は、得点の喜び、PK戦という記載、PKでのGK、リザーブ副審の役目、VARライト対応などがあります。ここでは特に、オフサイドの反則における意図的なプレーと、反スポーツ的行為に対する警告について書いています。

赤い枠内が改正された本文で、下線が新しく改訂された部分です。

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主な改正点と解説

得点の喜び

「空費された時間」に「得点の喜び」という項目が追加されました。

不必要に著しく遅らせる行為でない範囲で、ベンチに駆け寄ったり、ゴールパフォーマンスなどの時間です。それらの時間は後にアディショナルタイムに追加されます。

PK戦(ペナルティー シュートアウト)

例えば90分で決着がつかない場合に、大会により延長やPK戦を行う場合がありますが、そのPK戦の呼び方を変えただけです。

従来の記載は「ペナルティーマークからのキック」、これを「PK戦(ペナルティー シュートアウト)」としました

解説にはこうあります。

>ペナルティーマークからのキック“という表現は、時代遅れであり、現在あまり使われていない。多くの人が「PK 戦」または「ペナルティーシュートアウト」という言葉を用いている。

国内で「ペナルティーシュートアウト」がどの程度使われているかは疑問ですが。

PKでのGKのふるまい

ゴールキーパーは、キッカーを不正に惑わすような行動をとってはならない。例えば、キックを遅らせらせる、ゴールポスト、クロスバーまたはゴールネットに触れる。

現役GKさんはついクセでやってしまいそうなので要注意です。

意図的なプレー

オフサイドの反則において、先ず下記の記述自体は従来通りです。

オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が「意図的にプレーした」ボールを受けたとき、(…)利益を得ているとはみなされない。

例えば

  • 攻撃側選手Aがすでにオフサイドポジションにいた。
  • 守備側選手Bは至近距離でボールが予想外に変化するなどで十分な体勢でクリアが完全にしきれなかった。
  • そのボールをAが受け、シュートしてネットを揺らした。

Aは利益を得ているとはみなされないのでオフサイドの反則とはならずに得点が認められていました。

が、今回その「意図的にプレーした」が明確になりました。

「意図的なプレー」とは、競技者がボールをコントロール下において、

  • ボールを味方競技者にパスする、
  • ボールを保持する、または、
  • ボールをクリアする(例えば、ボールをけって、またはヘディングして)。

その指標としての基準は下記。

  1. ボールが長く移動したので、競技者はボールをはっきりと見えた。
  2. ボールが速く動いていなかった。
  3. ボールが動いた方向が予想外ではなかった。
  4. 競技者が体の動きを整える時間があった、つまり、反射的に体を伸ばしたりジャンプせざるを得なかったということでもなく、または、かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではなかった。
  5. グランド上を動いているボールは、空中にあるボールに比べてプレーすることが容易である。

これら4までが当てはまった場合は「意図的なプレー」と判断され、5も基準とします。

上記の例えでは2と3が除外要因となり、「意図的なプレー」と判断されず。よって攻撃側選手Aはオフサイドの反則となります。

相手競技者にチャレンジして

反スポーツ的行為に対する警告

競技者が反スポーツ的行為で警告されなければならない状況は、様々である。例えば競技者が、

  • 相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止するためにその他の反則を行う。 ただし、ボールにプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジして反則を行い、主審がペナルティーキックを与えた場合を除く。
  • ボールにプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジして反則を行い、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与える。

これに伴い、得点または決定的な得点の機会の阻止(DOGSO)の記載も同様となり

競技者が相手競技者に対して反則を行い、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、ボールにプレーしようと試みた、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジしたことで反則した場合、反則を行った競技者は、警告される。

それ以外のあらゆる状況 (押さえる、引っぱる、押す、またはボールをプレーする可能性がないなど)では、反則を行った競技者は、退場させられなければならない。

解説ではこうあります。

>反則となる守備側競技者のアクションが、ボールにプレーしようと試みた結果なのか、ボールに向かうことで相手競技者にチャレンジした結果(あるいは両方)なのか、明確ではなかった。ボールにプレーしようと試みた結果なのか、ボールをプレーしようとして相手競技者にチャレンジした結果なのかにかかわらず、同じ原則(懲戒の罰則が一段階下がる)を当てはめる。

適用時期

2023/24の主な国内リーグでの適用開始日は以下の通りです。

  • J1:8/5 第22節
  • J2:8/5 第29節
  • J3:8/5 第21節
  • YBCルヴァン杯:9/6 プライムステージ
  • JFL:9/2 第19節
  • WE:8/下 後日公表
  • なでしこ1部:8/26 第16節
  • なでしこ2部:9/23 第15節
  • 天皇杯:8/2 R16

考察とまとめ

得点の喜び

下記の利点が考えられます。

  • (不必要に著しく遅らせる行為でない範囲で)パフォーマンスに時間を割けられる。
  • プレーの実時間がより正確になることで観戦者がその分楽しめる。

ある種のパフォーマンスは例えば下記の通りプラス面になる場合があると思われます。

  • 闘病中の方や家族など特定の応援者へのメッセージは勇気を得られる。
  • 応援してくれる芸人さんの芸をすることでお礼になる。
  • スポンサーに関連したことで宣伝や経済効果になる。

得点側にとって時間かせぎにはならなくなり、失点側も以前より冷静に見ていられるでしょう。

意図的なプレー

大雑把に言うと、守備側が十分クリアする状態ではなかった場合は「意図的プレー」とされず、攻撃側がそのボールを受けるとオフサイドの反則となる、ということです。

実は昨年2022年にすでにJFAから『「意図的なプレー」と「ディフレクション」との違い』として通達されていて、規則として組み込まれました。

実例動画がありますのでぜひ見てみてください。

【通達】サッカー競技規則「意図的なプレー」と「ディフレクション」との違いに関するガイドラインの明確化 [→ 日本サッカー協会(JFA)]

反スポ警告

  1. ボールにプレーしようと試みた。
  2. ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジした

2も退場ではなく警告とすることで明確になりました。

原文と詳細

改正された他の項目や詳細はこちらをご覧願います。2023/24 サッカー競技規則の改正について [→ 日本サッカー協会(JFA)]

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