WEリーグ2021年ゴール場面ベスト3
2021年秋に開幕した日本女子プロサッカーリーグであるWEリーグの、21/22シーズン前半2021年のベストゴール場面を3つ選んでみました。
ハイライト映像、そのゴール自体だけではなく、全チーム忖度なく、試合をフルタイムで見て試合状況や前節までのチーム状況も合わせた上で選んでいます。
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アディショナルタイムに連続得点で逆転ホーム初勝利
第9節 11/14(日)AC長野パルセイロ・レディース×サンフレッチェ広島レジーナ:長野Uスタジアム
長野はWEリーグでホームでまだ1度も勝てていない。次の第10節はWE ACTION DAYで試合なし、よって年内はこの試合を含めて2試合しかない。
43' 広島のパスの乱れから瀧澤千聖(たきざわ ちせ)がGKと1:1になるがシュートを惜しくも外す。
52' に失点。広島特に中嶋(なかしま)独特のドリブルなどで左サイドを突かれるも、何とか1点差のままアディショナルタイムへ。
90+1' 瀧澤のドリブルと泊(とまり)の粘りでFKを得る。これを五嶋(ごしま)が決めて同点。
直後のキックオフ、後ろからつないで瀧澤が逆転ゴール。
瀧澤は後インタビューで前半外したことは頭になく「しっかりゴールとGK見て流し込んだ」とのこと。
五嶋はコメントで「前節もFKを蹴る機会があったのですが、ミスキックしてしまいました。今日のFKは日頃から練習している位置からのFKでしたので、絶対に決めるという想いでした。」とのことで、練習の重要性と次への意志が結果に。
長野をWEリーグホーム初勝利に導いたゴールと、少ない時間でもチーム全体で追加点を取りにいく姿勢がお見事でした。
強豪相手に粘った最後にほぼノーステップシュート
第6節 10/16(土)三菱重工浦和レッズレディース×サンフレッチェ広島レジーナ:浦和駒場スタジアム
広島は新チーム。開幕節勝利したものの後は1分3敗、迎えた浦和戦。
浦和は負傷の塩越栗島がメンバー外とはいえ代表や元代表をそろえるそうそうたるメンバーで、昨期優勝チーム。
前半、広島が先制するも、ビルドの乱れから浦和菅澤の絶妙なループシュートで追いつかれる。
68' 広島は第4節からベンチ入りしてWEリーグ初出場となる齋原(さいはら)を投入。
両者中盤奪い合い攻守せめぎ合いが続き、同点のままアディショナルタイム。
広島は高めにいたボランチ近賀が中央にパス、相手に当たってぽっかり空いたバイタルにいた齋原に渡り、足を微調整しただけのほぼノーステップシュート。右上隅に吸い込まれる。
シュート数は浦和21-広島7で、広島は何度も最後で体張り、GK木稲(このみ)が好セーブで守つつ攻めの姿勢も見せた。とにかく両者見ごたえあった試合での劇的ゴール。
試合後に浦和遠藤と広島木崎が抱き合う場面も印象的。共に浦和Jrユースから同年代の仲。
広島の中村監督は齋原を途中起用した理由について「練習で自分のやれることを表現してくれていた」とのこと。練習の取り組みで起用され、結果を出した点も選んだ理由。
1タッチフィードと後ろからのボール
第4節 10/2(土)大宮アルディージャVENTUS×三菱重工浦和レッズレディース:NACK5スタジアム大宮
さいたまダービー。大宮は新チームということとケガ人事情で、中盤の弱さ、マークや受け渡しの甘さ、プレスもぎこちない。
浦和は、後に負傷で長期離脱する栗島だが、柴田と共に中盤の要であり、この試合はスタメン。塩越不在以外ほぼベストメンバー。
大宮も頑張っていたがやはりチームの完成度の差は大きく、所々ほつれて終盤には0-4。
そんな中で88'、大宮が左サイド高めで奪えたのになぜか大きく後ろに下げてしまう。…が!右SB村社(むらこそ)が1タッチフィード。
村社は左SBやSHなども任されるが、今期序盤はほぼ右SB。
DFながら1タッチが極めて多く、たまに「そこ1タッチいる?持ち直してもいいのでは?」と感じることもあり。更にはまれにだがその1タッチでチームメイトと合わずにピンチになる場面もあり。
ご本人何か思うことがあるのでしょう、そういった挑戦する意思は極めて好感です。1タッチゆえに面白い場面を作り出すことも確かで、まさにこの場面がその一例。
ところで、NACK5で観戦経験ある方はご存じでしょうが、東自由席=画面右側はかなり眩しいのです。選手の影の長さでおわかりでしょう。(前半キックオフで大宮が右エンドだったのはおそらくコイントスで勝って後半に備えたと思われ。)
その眩しさでボールの視認も容易ではないと思われ、かつ後ろからという難しいボールにしっかり合わせてカトラーがヘディングゴール。
次につながる大きな1点となったことでしょう。村社の正確性に注意したキック、難易度高いシュート、そして大差でも諦めない姿勢で選びました。
以上、3つの場面でした。
おことわり
皆さん各自ご覧で、他にいい場面はあると思います。
例えば、開幕戦浦和塩越の相手選手を背にしてボールを隠し、柔らかいタッチで反転シュート。第10節ジェフ岸川のパンチ力あるミドルシュートなど。
ですが前述の通り、フルタイム通して見て、チーム状況なども踏まえて選びました。
WEリーグ2021年最後の第11節はジェフ大宮戦以外が延期となっています。2022年にはこの第11節とシーズン後半が再開されるでしょうから楽しみです。
(見易さなどを考慮して各選手名の敬称は省略させていただいています。)
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