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NHKアオアシとコラボで「ふかん」カメラのJリーグ中継

俯瞰(ふかん)鳥の目

2022年4月10日J1第8節 FC東京-浦和(味の素スタジアム)でのNHKのJリーグ中継で、新感覚な試みがされました。

アニメ「アオアシ」をNHKで連載にあたってのコラボ企画で、俯瞰(ふかん)鳥の目として特別なカメラワークと、SBに注目した映像や解説がされました。

斬新な試み

この放送での新たな試みです。

キーワード

アオアシで出てくるキーワード、「止めて、蹴る」「首振り」「しぼる」「ダイアゴナルラン」「5レーン」をマンガの一場面と共にプレー中の実例と合わせて解説していました。

俯瞰(ふかん)鳥の目

主人公アシトは俯瞰(ふかん)=鳥の目のように、フィールドを上から見るように、全体を把握することを得意としています。通常メインカメラは、メインスタンド中央に設置してパン(左右に振る)します。が、その鳥の目として、ワイヤーでフィールド上あちこちを移動するカメラをメインとしました。

SBサイドバック

アシトのポジションはFW(フォワード)からSB(サイドバック:ディフェンスの左または右の位置)に転向しました。この試合では特にSBの選手達に重点を置いてカメラワークや実況解説していました。特に現日本代表である、FC東京の左SB長友と浦和の右SB酒井は相対すると同サイドでマッチアップするので注目でした。

マルチウィンドウ

時々、と言っても結構な頻度で、画面を4分割し、主に下記のような分担で割り当てていました。

  • 左上:最も大きい:試合全体メイン
  • 右上:縦長:注目選手アップ
  • 左下:横長:各選手の位置や動きを表したCG
  • 右下:最も小さい:スプリント回数やプレーエリアなどのデータや、Twitterの視聴者からの投稿

マルチウィンドウやTwitter連携自体は珍しくないですが、リアルタイム性や情報量において今までとは別格でした。

個人的感想

キーワード

多過ぎず適度に取り上げること、それに特化した解説時間を増やすこと、実際今見てるプレーに当てはめることで、よりわかりやすくなっていました。

俯瞰(ふかん)鳥の目

布陣の集散に応じてズーム調整するのはいいのですが、それが多すぎて揺れるような酔うような感覚。

視点が動きすぎて試合内容が入ってこず。前半を15分づつ3つに分け、後半も同様計6セットで考え、それらがどちら優勢だったか、どういう試合状況だったかを考えるのですがサッパリ思い出せず。ただプレーを重視した実況ということでこれは犠牲になる価値はありますし、慣れかもしれません。

ゴール正面FK(フリーキック)の映像は迫力。反対側ゴール裏カメラでズームしても壁付近の奥行き感がわかりづらいですが、鳥の目カメラではセンターサークル付近まで入り込んでやや上から覗き込むようなアングルのため、これらがよくわかりました。

クロスが入る前のゴール前の密集なども、上から見ることで選手の重なりが抑えられていました。

今回の放送で最もよかった点で、放送特有の「映ってない部分、映ってない選手」が少なかったことがあります。

SBサイドバック

SB視点はCG含めて斬新でよかったのですが、反対側の奥で酒井が極めていいプレーをしたのに遠くて(小さくて)残念。

リプレイではアップになっていましたがリアルタイムは見逃した感に似た印象。ただこれをいちいち反対サイドに急に視点変えるのも見てる側が疲れるので今後の課題でしょうか。

マルチウィンドウ

肝心のメインの全体映像が小さくなりがちですが、分割サイズの割合がよくて50インチ前後でしたらほとんど問題ありませんでした。各ウィンドウの目的と配置がマッチしてて、つまり無駄なく見やすかったです。

主審がVARと交信してプレー中断中にCGは、FC東京の選手たちは両タッチラインで水分補給し、浦和の一部選手はフィールド内に集まって話をする様子と、その違いまで表していました。

また、酒井が相手ペナルティエリアから自陣ゴール前まで戻る場面では、ピッチレベル視点でその速さを改めて実感できました。

主審

ポジショニングが全体の中のどの割合の位置にいるか常に見えてよかったです。ボールに近いに越したことないのですが、走力やプレーを妨げない距離感や角度も必要。対角線移動の基本から臨機応変のアレンジまで捉えられていて、レフリーを目指す方にも大変参考になったのではないでしょうか。

解説

中村憲剛さんの公平で具体性のある解説は元々好評でしたが、今回の放送はよりマッチしていました。各選手の特徴やプレーを把握し、SBの大変さとそれをこなす素晴らしさを力説され、観戦の醍醐味がその熱量と共に伝わってきました。

全体感想と今後

プレー中にリアルにフィールド上を動くという安全面をクリアしつつその操作や、スイッチャー(映像切り替え)さんなど、技術の高さを感じました。とにかく楽しめました。

機材設置は大変でしょうが、今後シーズン何回かでもまたやってほしいです。FW編、MF編、CB編、GK編、レフリー編など、期待したいです。できれば11月のワールドカップまで一通りできれば、観る側の目も深まって更に楽しめることでしょう。

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