サッカーの箱

入門 観戦 応援

なでしこジャパン2023注目選手

女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド大会2023に挑戦する、なでしこジャパンの注目選手です。

全員書く時間もそのつもりもありませんので、主に経験値あるいわゆるスタメン組ではなく、若手や新招集選手、出場機会は少ないかもしれないが一押し選手、を挙げました。

広告

当記事のなりゆき

雑記に書いていた文をこの1ページに転載しました。

以降敬称略。順序に意味はありません。

各注目選手

藤野 あおば

先ずは「藤野 あおば(ふじの あおば) #15」。

19歳ながら所属日テレ・ベレーザではすでに主力。主に4-3-3の右WGや右IHが多いが、試合中に左でプレーすることもあり、左右遜色(そんしょく)ない。

持ち味はアタッキングサードでの相手を崩す、はがすドリブル。斜めの使い方が賢く上手くて実に効果的。自ら打てるしパスでつなげる。

右利きではあるが左足でも打てる。この世代は利き足で打とうと持ち替えたりすることなく、ベクトル(方向)、タイミング、歩幅、相手の寄せなどの状況下では逆足でも迷うことなく自然に打てるから見ててストレスがない。

注目点は冷静さ。プレースタイルゆえに激しく削られることもしばしばあるが、感情的になることが滅多にない。

清家 貴子

清家 貴子(せいけ きこ)#17」。所属の浦和レディースでは主に右SB、試合途中で右SHやFWに移ることも多々あり、そこからスタートすることもあり。

持ち味は国内で圧倒的スピードを誇るドリブル。サイドの抜けが強みで、わかっていても止められない。スタミナもあり。

ただしスピードでは海外に分があるので、どこまで通用するか。

また右SBは経験値高い清水梨紗がいるので出番は限られるかもしれないが、得点が欲しいときにここぞで起用してくる期待がある。

千葉 玲海菜

「千葉の千葉」こと「千葉 玲海菜(ちば れみな)#22」。ジェフ市原・千葉レディース所属でFW。

持ち味は抜けるスピードと強さ。

抜けたり運んだりしたはいいが、GKと1:1の場面、少し運ぶだけで1:1にできる場面において、自身がなく横に出してしまったり、止まって味方を待ってしまったりする場面が、リーグ通して何十回も見られるが、千葉はそれがない。

フィニッシュまでチャレンジする。そして1:1でも決める決定力。

昨年秋に前十字負傷で約半年間リハビリしていたが、シーズン終盤間に合って復帰していきなり得点を重ねる。見る限り好調そうで、元のキレも戻っている様子。

招集メンバーでFWが手薄なだけに、最も覚醒(かくせい)を期待している選手。本当に復帰が間に合ってよかった。

猶本 光

今回はご存じの方も多いでしょう「猶本 光(なおもと ひかる)#8」。代表でも所属の浦和でも2列目かボランチ。

あえて選んだ理由は、U世代当時から各段に増した強さを見てほしいから。海外も経験し、浦和でも中心格となり、そのたくましさを感じる。

自分のポジションでは絶対に相手にやらせない、通させないという気迫がプレーに表れている。課題であったミドルシュートも力が抜けて精度が増し、得点に結びつけている。

時に判定にも感情が出ることがあるが、海外では普通だし同感できる範囲なのでカードもらわない程度にしておけば問題ないだろう。

ボランチはおそらく長野 #10が主に起用されそうだが、相方として運動量と攻守の貢献度で期待できる。

セットプレーのキッカーも任される。

植木 理子

今大会での中心FWとなるであろう「植木 理子(うえき りこ) #9」。代表でも所属の日テレ・ベレーザでも主力FW。

典型的FWタイプで、22/23シーズンの得点王。左右遜色なく使え、164cmと大きいわけではないがヘディングが得意。「利き足は足」とも言っている。持ち味は味方のチャンスボールを決める決定力と自ら決めにいくキレ。

その得点王がかかったリーグ終盤第21節での忘れられない出来事。

若い藤野がPK獲得。藤野は蹴ってほしいとボールを植木に渡すが、植木は藤野の肩に手をやり任せた。藤野はPKを決めた直後植木に寄り、植木は藤野の肩をポンポンと叩いた。

この1点で得点王を失う可能性を追ってまで若手に任せたこの行動が心に残った。

石川 璃音

石川 璃音(いしかわ りおん)#23」。所属の浦和の主軸CBが負傷離脱や海外移籍”で”出場機会が増えたCB。

”で”と書いたが当初からベテランかのような落ち着きと安定性をみせて以後スタメン定着。

持ち味はその落ち着きに加え、高さ、対応力、パスカット、ビルド、などと総じて苦手な個所が見られないこと。また単純な大ポカがないこと(実は他のCBは度々あり)。

セットプレーでヘディングゴールも決めていて、キッカーの第一ターゲットになっている。

海外選手のスピードと強さへの対応力は未知数で、痛い経験もあるかもしれないがそれ含めても今後期待できる選手。

ちなみにその浦和では2011優勝メンバーFW安藤がCBをこなし、石川とのCBコンビでシーズン優勝を果たしている。

守屋 都弥

守屋 都弥(もりや みやび)#19」。所属のINAC神戸では右WB。

以前はSBやCBも経験あり、GKやファーサイドからの相手クロスのリカバリー能力が素晴らしい。当時「第二のGK」とまで呼ばれていたほどに相手決定機を数多く防いでいた。

持ち味は突如上達したクロス精度。タイミングや中とのマッチングなどWEリーグで一番といっていい。

box to boxの上下動範囲が広いがスタミナは問題なし。

代表はU-20以来で、今のトップカテゴリーでは招集から間もないので得意のクロス精度を他のメンバーとどこまですり合わせられるか。

遠藤 純

遠藤 純(えんどう じゅん)#13」。

アメリカに行く前の所属は日テレ・ベレーザ。当初からフィジカルが抜きんでて強く、ファンから早々に海外へ行くべきという声が多かった。

パスをつなぎ、狭い所でも通していくチームスタイル、もちろんそれも長けているが、それとは別に仕掛けに積極的であったりで何か(いい意味で)異質な印象だった。

後にアメリカへ渡り、ファッションやリアクションがなにか吹っ切れた印象。後に読んだこの記事。

>日本では、日テレ・東京ヴェルディベレーザという日本の中でも、トップといわれるチームにいましたが、チームに対してではなく、自分自身のプレーに対して物足りなさを感じていました。

>よりサッカーが楽しくなりました。今思えば、日本では悩みながらプレーしていたなと思います。

パナマ戦では左足のプレーに若干ぎこちなさを感じたが、受け手と合えば問題ないであろう。

遠藤純:“即決”だったアメリカ エンジェル・シティ行き [→ FIFA]

ちなみにEAのFIFA 23の画像のモデルに選ばれている。

『FIFA 23』に米女子リーグ搭載へ!! なでしこMF遠藤純がチームを代表してプロモ画像に登場 [→ ゲキサカ]

杉田 妃和

杉田 妃和(すぎた ひな)#6」。

2019フランス大会では4-4-2のCMFを務めた。ボランチもだがSH/WB/IHなど多くを高いレベルでこなす。左利きだが右も自在。

面白いのが人によって起用すべきという位置が、中央がいいという方とサイドがいいという方と別れ、共に理由がもっともな点。どちらでも魅力あり、任せられるということだろう。

中央ではバランスを取れ、サイドでは自陣から相手陣地深くまで攻守に惜しみなく動く。

呼ばれた選手の中では最もえぐれる、角(ゴールラインとペナルティエリアの交点)を取れると言える。つまり、仕掛けられる選手。

理不尽なのは、杉田だからこそそこまでいけた、できたのに、ミスと受け取られることが多々あること。(オシム氏の言葉を思いだそう!)

プレー以外では控え目な印象でINACにいたときは海外に行くとは思えなかったが、現在はアメリカでプレー。

宮澤 ひなた

宮澤 ひなた(みやざわ ひなた)#7」。

先日パナマ戦では左IH、所属の仙台ではIHやボランチなど多岐に渡って起用される。器用なだけにどこでもそつなくこなす。

持ち味は高い連携力。周りがよく見え、周りをうまく使い、誰とでも連動性をみせる。ときおり意表つくアイデアあるパスが出る。

パナマ戦で見せた2度追いなど前からの守備にも貢献。フィールド内に2人いるのかというくらい、とにかく要所に受けに顔出す。

大会で早いうちに課題の決定機を決めれば力抜けて更に相手の脅威となるかも。

三宅 史織

三宅 史織(みやけ しおり)#5」。

ストッパータイプのCBで、これは所属INAC神戸でも同様。

対人も強いが、最大の持ち味はロングフィードの正確性。INACではこの特徴を活かすため、CBの中央ではなくあえてサイドのCBで起用していたこともあったくらい。

そのINACで今季誰がキャプテンを務めるかと話題になっていたが、三宅は誰もが想定外だった。それも自ら立候補で。比較的おとなしめで、自ら先導するタイプではなかったから。想像だが、代表で熊谷を見てかもしれない。

W杯直前の強化試合パナマ戦では試合には出なかったが、強く印象に残った場面がある。

若手CBの石川がスタメンでいい結果を残し、試合終了間際に交代で下がった。ベンチで隣同士仲良さそうに話し、また真顔で「よくやった」という表情で石川と握手していた。石川はそれに頭下げて答えていた。

石川はリーグで優勝を争うライバルの浦和所属。石川が成長すればクラブ対抗で難しくなるし、代表で自分のポジションに懸念も出る。にもかかわらず喜んでいた姿が深く心に残った。チームの雰囲気の良さが垣間見えた場面。

そんな三宅の、1発で相手を裏返したり、味方にピタリ収まるようなロングフィードに注目してほしい。

田中 美南

田中 美南(たなか みな)#11」。

生まれはタイだがすぐ日本に帰国、以来も日本で、会話等普通に日本人。

典型的FW。以前日テレ・ベレーザで主力だったが、自分を高めるためとINAC神戸へ移籍。代表歴は長いのでご存じの方も多いでしょうがあえて掲載。W杯は初出場。

持ち味はポストプレーと両足差ないインパクトあるシュート。

チームバランス崩すことなく自然に下がって受け、確実につなぎ、またはタメを作る。相手を背負ってからの反転も左右変わりなく回って打てる。

多少無理な体勢でもしっかり軸足を踏み、体を回しきってミートする。ベレーザ時代から取り組んでた体幹トレーニングが実を結んでいるのだろう。

ザンビア戦3点目、相手に引っかかっても体勢を残し、ゴールライン際で体回して残したクロス。まさしく体幹の強さが凝縮された場面だった。

シュートフォームが美しく、若い方はぜひ参考にしていただきたい。ただしかなり足腰を鍛えてこその技。

日程や対戦相手

下記の関連記事をご覧願います。

広告

初版 2023-07-21 / 最終